鍼灸施術を受ける際に、
「鍼はたくさん刺した方がよいのでは?」
「1〜3本程度で、本当に身体を見てもらえるの?」
「本数が少ないと、簡単な施術なのでは?」
と疑問に感じる方もいらっしゃると思います。
伝統鍼灸 喜心堂では、身体の状態を詳しく確認したうえで、その方に必要と考えられる経穴(ツボ)を絞り、1〜3本程度の少数の鍼で施術することを基本としています。
大切にしているのは本数の多さではなく、身体のどこに変化が現れているのかを丁寧に確認し、現在の状態に合った施術点を選ぶことです。
少ない本数の鍼は、簡単な施術ではありません
使用する鍼が少ないと、短時間で簡単に施術しているように見えるかもしれません。
しかし、少数の鍼に絞るためには、施術前の詳しい確認が重要になります。
喜心堂では、初回に現在のお悩みだけでなく、次のような内容を詳しく伺います。
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症状が始まった時期ときっかけ
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症状が強くなる時間帯や条件
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食事、睡眠、排便などの状態
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冷えやのぼせ、汗のかき方
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疲労、緊張、ストレスとの関係
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これまでに受けた検査や診断
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服用している薬や既往歴
そのうえで、舌や脈、お腹、背中、手足などを確認し、身体に現れている反応を総合的に捉えます。
多くの場所へ一律に鍼をするのではなく、集めた情報から施術の中心となる経穴を選ぶことが、喜心堂の少数鍼施術の特徴です。
理由1.症状のある場所だけで判断しないため
東洋医学では、症状が現れている場所だけを見て、身体の状態を判断するとは限りません。
例えば、胃の不調がある場合でも、反応が現れるのは胃の周辺だけではありません。手足や背中、お腹、脈、舌などにも変化がみられることがあります。
また、同じ「胃痛」という症状でも、患者さんによって状態は異なります。
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食後に悪化する
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空腹時に痛む
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緊張すると強くなる
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冷えると悪化する
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胃もたれや膨満感を伴う
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喉の詰まり感や不安感を伴う
そのため、「胃痛だからこのツボ」というように、病名や症状だけで施術点を決めるのではなく、全身に現れている反応を確認して経穴を選びます。
痛い場所から離れた手足などに鍼をすることがあるのも、このためです。
理由2.身体に必要な刺激量を見極めるため
鍼灸施術では、本数だけでなく、鍼をする場所、深さ、方向、刺激の強さ、鍼を置く時間などによって、身体に加わる刺激が変わります。
鍼の刺激に慣れている方と、初めて鍼を受ける方では、適した刺激量が同じとは限りません。
特に次のような方には、身体の状態を確認しながら慎重に刺激量を調整する必要があります。
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体力が低下している方
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睡眠不足が続いている方
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食欲が低下し、食事量が減っている方
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鍼が初めての方
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刺激に敏感な方
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強い緊張や不安がある方
喜心堂では、身体の反応を確認しながら、その方に必要と考えられる刺激量へ調整します。
少数鍼は「弱い施術」という意味ではありません。
一つの経穴に対して、どのような深さや刺激を用いるかまで含め、その日の身体の状態に合わせて施術を組み立てます。
理由3.施術前後の変化を確認しやすくするため
喜心堂では、鍼をした後にも、脈、お腹、背中、手足などの反応を再度確認します。
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硬さや緊張に変化があるか
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身体の左右差が変わっているか
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呼吸のしやすさに変化があるか
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痛みや不快感がどのように変わったか
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患者さん自身がどのように感じているか
このような点を確認し、施術前の状態と比較します。
一度に多くの場所へ刺激を加えると、どの施術が身体の変化に関係したのか判断しにくくなる場合があります。
施術点を絞り、一つずつ反応を確認することは、その日の身体に必要な施術を見極めるうえでも大切です。
理由4.毎回同じ施術を繰り返さないため
身体の状態は毎回同じではありません。
同じ症状が続いていても、睡眠、食事、仕事の忙しさ、精神的な緊張、気温や気圧などによって、身体に現れる反応が変わることがあります。
そのため喜心堂では、前回と同じ症状だからといって、必ず同じ経穴を使用するわけではありません。
毎回、問診と体表観察を行い、その日の状態に合わせて施術する経穴を選び直します。必要に応じて、鍼の本数や太さ、刺激方法も調整します。
胃の不調でも手足や背中を確認する理由
例えば、胃痛や胃もたれ、食欲不振がある場合でも、症状のあるお腹だけを確認するわけではありません。
東洋医学では、身体の働きは互いに関係していると考えます。
そのため、胃腸の症状があっても、緊張やストレス、睡眠、冷え、疲労などが関係していないかを確認します。
実際の施術では、お腹の状態だけでなく、舌や脈、背中、手足の経穴なども確認し、どこに特徴的な反応が現れているのかを見極めます。
症状のある場所から離れた経穴を使用する場合には、その場所を選んだ理由についても、できるだけ分かりやすくご説明します。
鍼の本数と施術効果は単純には比較できません
鍼を多く使用する方法にも、少ない本数で行う方法にも、それぞれ異なる考え方があります。
そのため、鍼の本数だけを見て、施術の良し悪しを判断することはできません。
また、少数鍼だから必ず身体への負担がなく、必ず高い効果が得られるというものでもありません。
喜心堂が少数鍼を採用しているのは、丁寧な観察によって施術点を絞り、施術前後の変化を確認しながら、その方に必要と考えられる刺激を組み立てる方針を大切にしているためです。
施術による感じ方や身体の変化、必要な施術回数には個人差があります。
よくあるご質問
Q.鍼が1本だけの日もありますか?
身体の状態や施術後の反応によっては、1本で施術を終える場合があります。
一方で、状態に応じて2〜3本程度使用したり、お灸や手技を組み合わせたりする場合もあります。
本数をあらかじめ固定するのではなく、施術前後の確認をもとに判断します。
Q.痛い場所に鍼をしないことがあるのはなぜですか?
痛みのある場所だけでなく、症状に関係していると考えられる全身の状態を確認しているためです。
手足や背中など、症状のある場所から離れた経穴を選ぶ場合には、その場所を選んだ理由もできるだけ分かりやすくご説明します。
Q.鍼が初めてでも受けられますか?
鍼が初めての方にも、使用する鍼や施術方法をご説明してから進めます。
不安が強い場合や刺激に敏感な場合は、刺激量にも配慮しますので、事前にお伝えください。
Q.毎回同じ経穴に鍼をしますか?
毎回同じ経穴を使用するとは限りません。
同じ症状でも、その日の体調や身体に現れている反応が異なることがあるためです。施術のたびに状態を確認し、使用する経穴や刺激量を検討します。
少ない本数だからこそ、施術前の確認を大切にしています
喜心堂の少数鍼施術は、単に鍼の使用本数を減らすことが目的ではありません。
詳しくお話を伺い、舌、脈、お腹、背中、手足などを確認する。そして、現在の身体に必要と考えられる経穴を選び、施術後に身体の反応をもう一度確かめる。
喜心堂では、この一連の過程を大切にしています。
「症状がいくつもあり、どこへ相談すればよいか分からない」
「検査では大きな異常がないものの、不調が続いている」
「強い刺激や多くの鍼に不安がある」
このような方も、まずは現在のお悩みをご相談ください。
なお、急激に生じた強い痛み、意識や運動・感覚の異常、呼吸困難、発熱を伴う症状、急激な体重減少、出血などがある場合は、鍼灸院への相談より先に医療機関を受診してください。
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